猫ちゃんは他の動物や周囲を気にする動物です。
当院では少しでも猫ちゃんが快適に過ごせ工夫をしています。
猫ちゃん優先時間(キャットアワー)ができました!
ネコちゃんは病院では緊張しやすく、パニックを起こすこともあります。
ネコちゃんも飼主様も安心して病院に来られるよう、当院では『猫の時間』を設け、ワンちゃんと会う機会を減らすことで、ネコちゃんのストレスをできる限り少なくするよういたしました。
≪ネコの時間 診察日≫ |
≪ご利用方法≫ |
当院の猫ちゃんへの取組み
【病院としての取組】 |
【飼主様との取組み】 |
①猫ちゃん優先待合室をご用意しています。 |
②猫ちゃん優先診察室をご用意しています。 |
ネコちゃん優先の待合スペースを設けております。 混雑時などは全ての動物にご利用頂けます。 ネコちゃんの飼い主様は是非ご利用ください。 |
猫ちゃん優先の診察室をご用意しています。 完全個室型なので猫ちゃんが逃げてしまう心配もありません。 |
猫ちゃんの病気・予防について
1.混合ワクチン接種
現在、混合ワクチンは最大でネコちゃんは5種の感染症が予防が可能です。
感染症の中には単独感染(たくさんの病気に一度にかかるのではなく、一つの病気に感染すること)で死亡率が高いものもあります。必ず毎年1回の接種をしてあげてください。初年度は合計で3回の接種が必要です。
予防できる病気 | 3種ワクチン | 4種ワクチン | FIVワクチン |
---|---|---|---|
猫ウイルス性鼻気管炎 | ◎ | ◎ | |
猫カリシウイルス感染症 | ◎ | ◎ | |
猫汎白血球減少症 | ◎ | ◎ | |
猫白血病ウイルス感染症 | ◎ | ||
FIVウイルス(単独) | ◎ |
2.ノミ・マダニ予防
マダニの吸血によって致死率の高い感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が人に感染することが報告されています。その他にもアレルギー皮膚炎、外耳炎、バベシア症、ライム病などの原因となります。
人への感染防御のためにも「今はついていないから・・・」ではなく、「つかないように」予防してあげましょう。
3.健康診断
ネコちゃんも、人間と同じで、病気の「早期発見」、「早期治療」が何より大切です。しかし、ネコちゃんの病気を早期で見つけるのは、簡単なことではありません。
ネコちゃんのための健康診断 | |
---|---|
らくらくパック | 診察(歯、眼、耳、皮膚の視診、聴診、肛門腺)、尿検査 |
あんしんパック | 診察(歯、眼、耳、皮膚の視診、聴診、肛門腺)、尿検査、血液検査(ウイルス検査含む) |
しっかりパック | 診察(歯、眼、耳、皮膚の視診、聴診、肛門腺)、尿検査、血液検査(ウイルス検査含む)、レントゲン検査、心電図 |
4.血液検査(室内猫:年1回 室外猫:年2回)
健康な状態での血液検査の数値を調べておくと、何か異常があった際に病気の早期発見に繋がります。
また、白血病と猫エイズなどの「死にいたるとても怖い病気」も見つけることができます。10年間1000頭検査したデータでは、17%程度が、白血病か猫エイズいずれかに感染しているという結果がでました。是非、病気に感染する前に、室内猫なら年一回、室外猫なら年2回検査してください。
猫ちゃんの検査
~飼主様に知っておいていただきたい猫ちゃんの検査のこと~
猫ちゃんは調子が悪くてもガマンする傾向があるため、 病気になってからのご来院が多いといえます。
「もっと早く病気を見つけていれば」と悔やまれる飼主様も多くおられます。
病気の早期発見・早期治療のためにも定期的に検査をしてあげてください。
ここでは猫ちゃんにとって特に重要な検査をご紹介します。
① 尿検査
② ウイルス検査
③ 血液検査
尿検査について
■尿検査はなぜ大事?
ネコちゃんは、おしっこのトラブルが多いことをご存知でしょうか?特に秋口から冬にかけての寒い時期は、水をあまり飲まなくなる影響で、尿が濃くなり、特にトラブルが多くなります。
特に10歳以上の高齢の猫ちゃん、雄の猫ちゃんによくみられます。
症状が出にくいこともあり、気づいた時には進行いていることもあります。
定期的に尿検査をすることで目に見えない体の異常をいち早く見つけてあげましょう。
特に男の子のネコちゃんは、若い子でも尿道閉塞を起こすリスクが高いですので、定期的な尿検査は非常に重要です。
【尿検査の目安】
年3~4回以上
■尿検査で分かる病気
①PH値 | 尿路結石・細菌感染 など |
---|---|
②ビリルビン | 肝臓疾患・胆道疾患・黄疸 など |
③尿糖 | 糖尿病・急性膵炎・クッシング症候群 など |
④潜血 | 膀胱炎・尿道炎・尿路結石・前立腺炎・腎炎 など |
⑤尿たんぱく | 腎臓疾患・尿路異常 など |
⑥尿比重 | 腎臓疾患・尿崩症 など |
■採尿(おしっこの採り方)について
飼主様からよくご相談をお受けするのが、採尿(おしっこの採り方)についてです。猫ちゃんは誰かに見られていると緊張しておしっこをしなくなることもあるため、下記の方法をおススメしています。
※採尿用スポンジは病院で無料配布しておりますのでご利用ください。
固まる砂の場合 | おしっこをするタイミングに合わせてスポンジに直接おしっこを吸わせてください。 |
---|---|
固まらない砂の場合 | 一番下の給水シートを取り外し、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
ペットシーツの場合 | 裏返しにしておき、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
■お持ちいただく「おしっこ」についてのお願い
「1日経ったおしっこ」、「量が少ないおしっこ」、「シーツや砂で固まっているおしっこ」、などは検査ができません。
どうしても採れない時はご相談ください。
★ご自宅で採尿できない場合には
ご自宅で採尿できない場合には、病院でお預かりして採尿をする方法もあります。お預かり時には膀胱や腎臓などの状態もエコーで検査することも可能です。診察時にご相談ください。
■尿検査からわかる病気
(1)尿石症
尿管、膀胱・尿道に石が存在する事により、血尿や膀胱炎の原因となる病気です。遺伝的な体質による影響もございますが、尿路感染や水・フードの成分による原因もあります。
猫は元々砂漠に住んでいた動物なので、尿を濃縮して排泄するようにできています。このため、犬に比べてこの病気が多いのです。
この病気はオスでもメスでも発生しますが、オスの方が尿道が長くて細いため、尿道閉塞を起こすリスクが高くなります。
【尿石症の代表的な症状】
■赤い尿をしたり、血が混じる。(血尿)
■トイレに行く回数が多い。(頻尿)
■トイレに入っている時間が長い。
■なかなか尿が出ず、力んでいる。
■トイレ以外の場所で排尿してしまう。
■元気や食欲がなく、落ち着かない。 など
(2)腎臓病
腎臓のなかで血液をろ過し、尿をつくる部分であるネフロンが徐々に壊れていく病気です。
ネフロンが壊れてしまうと、尿として出すべき毒素を排出できなくなりますが、体は排出しようとするため水のような尿を多量に出します。そのため、血液中に毒性のある不要物がたまって嘔吐や下痢などを起こしたり、水分を捨てすぎてしまうことで脱水症状を起こします。
【腎臓病の代表的な症状】
■水をたくさん飲むようになった
■尿の量が増えた
■食欲がない
■毛並みが悪くなる
■元気がない
■貧血
■嘔吐がある など
(3)糖尿病
インスリンの欠乏によって起こる病気です。
膵臓でつくられるホルモンのインスリンは、身体の細胞が血糖を利用するのに必要なものです。
インスリンがないと、糖は血中にとどまるため尿中に糖が漏れ出してきます。
【糖尿病の代表的な症状】
■水をたくさん飲むようになった
■尿の量が増えた
■体重が減った
■弱っていたり、元気がない
■下痢や嘔吐をした
■呼吸が非常に荒い など
ウイルス検査について
■ウイルス検査とは?
ネコちゃんは知らない間に命に関わるウイルスに感染している可能性があります。これらのウイルスは、感染しているかどうかを血液検査で調べることができます。
猫ちゃんが感染するウイルスにはいくつかの種類があり、飼育し始めた時には既に感染していることもあります。必要な検査は入手経路にもよって異なりますので、診察時にご相談ください。
また、外に出かけられる環境で飼われている場合は定期的に検査することもお勧めしています。
① 猫免疫不全ウイルス(FIV)
② 猫白血病ウイルス(Felv)
③ 猫伝染性腹膜炎(FIP)
などの感染症を調べることができる検査です。
■どんな子に必要?
全員が必要な検査ではありませんが、以下に当てはまる子はしておくと安心です。
■外に遊びに行く子(少しでも)
■昔、ノラ猫だった子
■お母さん猫がノラ猫の子
■過去の飼育環境がわからない子
■多頭飼いの猫ちゃん達の中に1頭でも上記に当てはまる子がいる場合
特にお家にやってきたタイミングでは、 感染の有無をしっかりと調べておくことをお勧めしています。
■検査方法は?
1ml程度の採血をするだけですので、小さな子猫でも安心して検査が可能です。
また、採血した血液は、ウイルス検査だけでなく、健康診断としての血液検査も一緒に行う事が出来ます。
1回の採血で猫ちゃんの健康状態を多く知る事は、猫ちゃんにとって負担が少なく、より良い生活に効果的ですので、健康診断としての血液検査も合わせる事をオススメしています。
■どんな感染症?
① 猫免疫不全ウイルス(FIV)とは?
一般的には〝猫エイズ〟と呼ばれている病気です。母子感染はほとんどなく、主に感染猫とのケンカによる咬傷などから感染する病気です。もちろん人間には感染しません。
発症すると発熱、下痢、鼻水、口内炎、リンパ腺の腫れなどが見られ、終末期には免疫機能が重度に低下し、感染症や、貧血、悪性腫瘍などにより死に至ります。
② 猫白血病ウイルス(Felv)とは?
このウイルスは唾液中に多く存在するウイルスです。そのため、Felv陽性の猫と〝仲良し〟の子ほど感染しやすく、グルーミング、食器の共有、尿、涙液、母乳、血液、咬傷などが感染源になります。発症すると、元気がなくなり、発熱、下痢、鼻水、白血病の減少、血小板の減少、貧血、リンパ腫などの症状が出て、死致率の高い病気です。
③ 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?
コロナウイルスが原因となり、腹膜炎や腸炎を起こし、発病してしまうと死亡率が高い病気です。
コロナウイルス自体は感染していることは珍しくないウイルスですが、体内で突然変異してFIPウイルスとなります。
1頭飼いより多頭飼いの方が感染しやすいことが知られており、特に生後1年以内での発症が多いと言われています。
多頭飼いの場合には検査をしておくことをお勧めします。
血液検査(健康診断)について
ごくわずかの採血で色々な病気・異常の発見ができます。腎臓・肝臓・すい臓などの臓器の異常から、赤血球・白血球・などの血液の状態、甲状腺ホルモンなどのホルモン異常、貧血・多血症などの身体の異常まで、 幅広い健康情報を得ることができます。
年1回検査することで毎年の健康状態を把握できます。
【血液検査で分かる病気の例】
■ウイルス・細菌感染の疑い
■貧血・多血症の疑い
■肝臓疾患の疑い
■腎臓疾患の疑い
■コレステロールの状態
■呼吸が非常に荒い など
■糖尿病の有無
■膵臓機能の状態
■炎症反応の検査
■甲状腺ホルモン異常の有無 など
※測定する項目によっても異なります。詳しくは獣医師にご相談下さい。
■当院の血液検査の特徴
① 検査結果はその場で解析、すぐに対応が可能です
当院の血液検査はリアルタイムで結果が分かるため、結果を数日間も気になさる必要はありません。ちょっとした異常があったとしても早期対応ができます。
② 蓄積された「健診データ」と検査結果の「解析力」が当院の強みです
猫ちゃんは生活スタイルが個別に違い、何を「異常のサイン」とするかも異なります。当院では年間で数多くの健診を行っており、様々な病気のデータが蓄積されています。幅広いデータに基づく診断をご提供できることが当院の特徴です。
よくあるご質問 ~健康な状態でも血液検査は必要なの?~
健康に見えても実は・・・、ということもよくあります。健康な状態での血液検査の数値を調べておくと、何か異常があった際に病気の早期発見に繋がります。健康基準値が分かります。そのため、もしも・・・の時の判定にも利用できるため、将来の病気の早期発見にも繋がります。
猫のフィラリア症
フィラリア症は、犬糸状虫と呼ばれる白い糸のような寄生虫が心臓(おもに肺動脈)に寄生する病気です。犬の病気のように思われがちですが、猫にも寄生する病気です。
猫がフィラリアに寄生されても症状がほとんど現れない場合があり、犬に比べて診断が難しく、突然死することもある怖い病気ですが、お薬で確実に予防できる病気でもあります。
現れる症状
・咳や呼吸困難
・下痢
・嘔吐
・食欲不振