モルモット君の説明書
モルモットの疾患
胃腸疾患
特徴:
① 出血性盲腸炎(抗生物質に極めて敏感であり、不適切な抗生物質により発症)
② 不正咬合(全ての歯が生涯伸び続けるため、過剰な伸長により不正な噛み合わせとなり、頬粘膜や舌を傷つける)
症状:
下痢、食欲減退、脱水、唾液過剰分泌
診断:
病歴、臨床徴候、レントゲン、口腔鏡(全身麻酔が必要)
治療:
保温、補液、適切な抗生物質の使用、過長した歯の処理(全身麻酔が必要)
呼吸器疾患
特徴:
① 細菌感染による肺炎を起こしやすい。
② 同居のウサギに常在している細菌が原因の場合がある。
症状:
食欲不振、目やに、鼻水、呼吸困難、斜頸、流産、関節炎
診断:
レントゲン、臨床徴候、細菌培養検査
治療:
補液、酸素吸入、抗生物質
泌尿生殖器疾患
特徴:
① 尿石症
② 卵巣嚢胞(2~4歳)
③ 妊娠中毒症(初産かつ肥満傾向時の妊娠後期~出産後1週間程度)
④ 難産がよく見られるため、6ヶ月以内に繁殖させ、肥満を防止する。
⑤ 乳腺炎
⑥ 乳腺腫瘍
症状:
血尿、排尿困難、腹痛、脱毛、食欲不振、けいれん、突然死、乳腺の腫れ、血乳汁
診断:
レントゲン、超音波検査、尿検査、難産(通常は5分間隔に分娩し、30分程度で終了する)
治療:
抗生物質、補液、摘出手術、ホルモン剤注射、陣痛促進剤、帝王切開
皮膚疾患
特徴:
① 皮膚糸状菌症(人にも移り、人からも移る)
② ノミ、ダニ、シラミ(人にも移り、人からも移る)
③ 頚背部リンパ節炎(ストレス、口腔内外傷など)
④ 足底皮膚炎(不衛生な環境)
⑤ 脱毛症(毛噛み、ホルモン異常、ビタミン異常など)
症状:
かゆみ、かさぶた、脱毛、フケ、頚背部のコブ、歩行異常
診断:
真菌培養、被毛の顕微鏡検査、臨床所見
治療:
内服薬、外用薬、減量、ストレス緩和、切開洗浄手術
その他の疾患
特徴:
① ビタミンC欠乏により、出血傾向、歯のぐらつき、不正咬合、病的骨折、被毛粗剛、食欲不振、下痢、歯ぎしり、歩行異常、感染症にかかりやすい等が見られる。
② リンパ球脈絡膜髄膜炎ウイルスにより、髄膜炎や神経麻痺を起こす。
③ 熱射病にかかりやすい。
④ リンパ肉腫(白血病)が発生する。