ヨツユビハリネズミ君のひとりごと
ヨツユビハリネズミの疾患
消化器疾患
特徴:
① 合計36本の歯があり、歯肉炎や腫瘍などの口腔内疾患は比較的多い。
② 肝臓腫瘍、脂肪肝、腸炎(アレルギー、細菌感染など)、消化管リンパ腫などが比較的多く見られる。
症状:
食欲不振、体重減少、よだれ、下痢、軟便、嘔吐、便秘、血便など
診断:
口腔鏡による確認、レントゲン検査、エコー検査、検便(鎮静や全身麻酔が必要)
治療:
外科的切除、歯肉消毒、注射、皮下点滴、内服薬投与
泌尿生殖器疾患
特徴:
① 雌の血尿は、腫瘍性子宮疾患の可能性が高く、しばしば見られる。
② 膀胱・尿道結石が時折見られる。
③ 血液検査(全身麻酔が必要)で腎障害が発見されることがある。
④ 乳腺は3対あり、乳腺腫瘍(乳がん)の発生が多く見られる。
症状:
血尿、血様おりもの、頻尿、膿尿、排尿困難、食欲元気低下、痩せてくる、乳腺の腫れ
診断:
レントゲン、エコー、尿検査、便検査、腹部触診・視診、血液検査(全身麻酔)
治療:
注射、皮下点滴、流動食注入(食欲低下時は入院管理が必要)、内服薬処方、外科手術
皮膚疾患
特徴:
① フケ、かゆみ、脱針、体表部の腫瘍などが非常に多い。
② 皮膚疾患の多くの原因はダニの寄生、皮膚糸状菌症、皮膚の腫瘍である。
③ 爪が伸びすぎると湾曲し、肉球に刺さってしまうことがある。
④ 肥満させると下腹部の皮膚炎を起こしやすい。
症状:
針の間の皮膚にフケ、痒み(後ろ足で頻繁にかく)、脱針、皮膚のできもの、発赤
診断:
視診、フケの顕微鏡検査、皮膚糸状菌培養、レントゲン検査、外科的切除後の病理組織検査
治療:
駆虫薬の外用、内服薬投与、外科的切除、爪切り
その他疾患
特徴:
① 眼窩が浅いため、眼球が突出しやすく、角膜潰瘍、結膜炎、白内障、腫瘍など様々な眼科疾患が見られる。
② ふらつき、びっこ、麻痺などの神経症状が見られ、遺伝性疾患のハリネズミふらつき症候群として知られている。
③ 全身至る所に腫瘍が発生しやすい。
④ 診察、検査、診断、治療において、全身麻酔が必要になるケースが多い。